私はぐずでのろまなてんこでふ


ことばの呪縛 - メモ


↑を読んでの自分語り。(笑)

私が母に言われてイヤだった言葉ははっきりとは覚えてないのだけど、言われたことをちゃんとできない子供だったので、たぶん「ぐず」だの「のろま」だのそういった感じの言葉だったと思う。

よく覚えてるシーンが、学校に提出するものとか先生に聞いてこないといけないこととか、そういったことをちゃんとやらなかったときに正座した太ももを赤くなるくらいに叩かれ「ちゃんとせんがな!」という母の叱る声。傍らには狭い部屋には不似合いのアップライトピアノがあり、それで小学5年生以前のことだと思い出せる記憶。

ああ思い出した。そうか。「ちゃんとせんか!」という言葉だ。

で、私は「しようと思ったんだよ」と言い訳をする。でも母は「ちゃんとするする言って、ちゃんとせんがな!」と怒鳴る。「ちゃんとする」それが私にはできないことだったんだ。電話が家にかかってくる。とりあえず出る。母に用事の人からの電話だった場合、あとで「電話があったよ」と言うと「誰から?」と聞く母に「知らん」と答える。「どうしてちゃんと聞けんかいな」と怒られる。でもそれが私にはできなかった。私には他人に「聞く」ということができない子供だった。というか、今でもそういうところはある。

私が母に言われて嬉しかった言葉は、他人に褒められる私のことを「娘はこうこうこうだって言われたんですよ」と、さらに他人に話す母の嬉しそうな顔と声だった。だから、私は一生懸命がんばった。好きでもない勉強もやらなくちゃいけない習い事も他人に褒められるのを嬉しそうに語る母を見たかったから。こんなぐずでのろまな私でも「ちゃんとしている」という証明になったから。

まあ、高校に入って、努力だけではどうにもならないものっていうのもあるんだなあと思い知ったのですが。それからは、己の欲求の赴くまま好きなことばかり優先事項としていったわけですけれど。でも、結局は、私の母も娘の私が辛い人生を歩まないことをずっと願っていたのだと今は知ったので、子供の頃に感じていた様々なネガティヴな想いもすっかりなくなってしまいましたけど。あの頃は気付けなかった。ぐずでのろまな私でも母はずーーーーっと愛してくれていたんだなあって。